トッカータとフーガニ短調
https://www.youtube.com/watch?v=Zd_oIFy1mxM
この曲について最近思うようになったこと。
この曲は誰もが認める世界的に有名な曲ですよね。
最初の雷が落ちるようなドラマチックな幕開けから、胸騒ぎを起こすような旋律へと引き継がれ、
中間部では穏やかな展開へと変わりますが、それがかえって怖く、最終章ではどこまでも破滅的に向かっていく。
この曲は他のなにものにも似ておらず、この耽美なまでの展開の仕方はただ者ではない、
やっぱりバッハは天才、いやこれを作曲するための霊感を与えた神様はすごいと、
聞くたびにハラハラドキドキし、心から感服するのでした。
・・・でもこの曲ってやっぱり禍々しくないか?
自分の心の奥底から、そんな声が聞こえてきます。
冷静に考えると、これはまさに吸血鬼ドラキュラの世界。
ゴッシクやヘビーメタルの世界そのものではないのか?
ひょっとしてこれは、神様からの霊感を得たものではなく、サタンから来た霊感で書かれたものではないのか?
と、だんだん怪しむようになりました。
Wikipediaで調べると、なんとこの曲に偽作(他の人の作品)説があるとのことです。
その根拠として、
(1)バッハの自筆譜が現存せず、最も古い筆写譜が18世紀後半のものであること。
(2)フーガの書法が異例であること。特に主題が単独で提示されるオルガンフーガ、
および短調の変終止で終わるオルガン・フーガはバッハの全生涯を通じて他に例がないこと。
(3)いささか表面的な減7の和音の効果や技巧の誇示が認められること。
という理由が書かれていました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%81%A8%E3%83%95%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%8B%E7%9F%AD%E8%AA%BF
特にこの理由の(2)の「短調で終わるオルガン曲は、バッハの全生涯を通して例がない」
というのに着目しました。神様の音楽は、人の心を温かくし、安らかにし、
神聖なものに目を向かわせると思っているので、破滅的な調子で終わらせるというのは、
神様のなさることじゃない、ゆえにこれはバッハが作曲した曲ではないと思いました。
そうはいうものの、芸術家は霊感を受けやすい体質だと思うので、
もしかしたら霊的に調子が悪くなって、魔が差したのかもしれない、
その時に作曲したらこんなのができてしまった、という可能性もあると思います。
これを書きながら改めて聞き直してみると、下の聖書の箇所のように、
まるでルシファーが天から落とされ、彼の軍勢もそれについて行って反乱を起こし、
天で天使と悪魔の大戦争が起こっているような、激しい戦いの情景が目に浮かんできます。
そして最後には、ルシファーも悪魔もろともガーッと奈落の底へ落ちて行くみたいな。
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さて、天では戦いが起った。ミカエルとその御使たちとが、龍と戦ったのである。
龍もその使たちも応戦したが、勝てなかった。
そして、もはや天には彼らのおる所がなくなった。
この巨大な龍、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれ、
全世界を惑わす年を経たへびは、地に投げ落され、その使たちも、もろともに投げ落された。
(黙示録12:7-9)
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サタンが自らのマニフェストとして作らせた曲を、まんまとバッハの作品として
世に聞かせていたのだとしたら・・・
サタンは美の極み、欺瞞の天才という聖書の言葉を思い知らされた気分でした。
しかしこれを聞いて喜んでいた自分って一体・・・
自分がいかにオカルト趣味かということを、今さらながら確認させられました。