聖書に人を簡単に信用するなと書いていますが、
白人にまんまと騙されてしまうということは、私達の方にも隙があるからで、
防衛のために日本人はもう少し悪の概念について学んだ方がいいのかもしれません。
宿のオーナーは、夜寝る時窓を開けて寝たら涼しいですよ、鍵をかけなくても大丈夫、
ここで犯罪が起きたことはないのですと言われ、えっと思いました。
そこで叔母とベランダの窓を全開にして、網戸だけで寝てみることにしました。
この行動こそ隙だらけか。
私が気持ち悪いと思ったのは、鍵をかけないことではなく、縁側に人の等身大の
2体のかかし(と言っても人形)がデーンと置いてあることでした。
ここの地区はかかしの町としても売り出しているそうで、
不気味な人形がまるで生きている人間のように、あちこち設置されていました。
村の人口よりも数が多いのだそうです。
やめてくれーーーー
寝る前に巨大なテレビの下にDVDのコレクションがあったので、
ラインアップを見てみると、エジプトとかミイラとかの物語や、海外の作品が目立ちました。
最初に泊まった剣山の宿でも、部屋に置いてあった紙コップに、
なぜかヒエログリフがプリントされていて、なんか面白いと思っていたのですが、
この宿でもお湯を入れるポットに、なぜかヒエログリフのプリントが施されていました。
私が読んだ本には、第二次対戦前位にある研究家が、
剣山の頂上から150m下まで掘ってみると、100体のミイラが出てきて、
内部はレンガ造りのピラミッド様の構造になっていることを発見したと書いてありました。
これが本当ならすごくありません?
ですが、資金不足と戦争のドタバタで埋め戻してしまったとのことです。
この地方の人々はそのような話もよく知っていて、こぞって研究しているのかもしれません。
DVDをゴソゴソ見ていると、なんとギデオン協会で配布している聖書が
はさまっていることに気づきました。
「あれ?もしかして・・・」
次の朝宿代を払おうと、すぐ隣のオーナーの家の玄関まで行った時、
玄関の上にミレーの「晩鐘」の絵が掛けられているのを見ました。
夕暮れに佇みながら祈る二人の農家の夫婦の絵、ご存知ですよね?
888の件といい、このオーナーはきっとクリスチャンなのだろうと確信しました。
実はこの旅を始める直前に、叔母の家で家庭礼拝を行い、
旅の祝福を祈って出発したのでした。
なんだか素敵な人に出会って、ここを去るのが惜しい気分になりましたが、
次の行程があるので長居はできません。
名残惜しみながら最後の祖谷渓谷へと向かいました。
(つづく)