天国への一歩

神・霊・魂、霊の見分けの話題。キリスト教信仰が出発点です。

イエズス会の終末論が与える影響(1)

 

皆さん、ゴールデンウィークは如何お過ごしでしょうか。自分は、日本人もイエズス会のことをもっと知るべきだと思って、プロテスタントに潜入しているイエズス会士の働きに関する文書はないかと、あちこちひっくり返して探していました。いい加減嫌気が差し、グダグダになった所で、やっと良いものに出会えました。これは「ジェームズ・ジャパン」さんのサイトで紹介されていたあるトラクト(小冊子)の内容です。

世界で何が起こっているかを正確に見るためにも、イエズス会の働きを知ることは必須の教養だと思われます。ジョー・バイデンも、ドナルド・トランプ(フォーダム大学)も、イヴァンカ・トランプ(ジョージタウン大学)も、トランプ氏の息子達も、河野太郎・小泉進次郎氏(CSIS)も、小室圭氏(フォーダム大学)も、皆イエズス会系の大学と関係しているのです。

本当は元イエズス会司祭のアルベルト・リベラ氏の漫画シリーズALBERTO(元イエズス会士の証言)が、本人の実体験を記録した第一級の内部告発の資料としておすすめなのですが、いかんせん漫画の形になっており、そのセリフを訳したものなのであまり読んでくれる人もいなく、イエズス会についてちゃんと文章になっているものも紹介したいなと思っていたのです。

またかなり長くなりますが、今日からこのシリーズを始めたいと思います。

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2022年2月21日 ジェームズ・アーレント

私は以前、このホームページの訪問者からこの冊子のハードコピーを送ってもらったことがあります。バプテスト派の牧師がこれを読んで、バプテスト派の神学校で学んだ終末期の預言がすべてでたらめで、イエズス会の教義に基づいていることを学ぶことを期待して貸しました。牧師自身が、自分は終末の預言に弱いので、説教壇では教えないと告白していることに感謝します。もしそうなら、私は彼の教会に行くことはなかったでしょう。もう1年以上前のことですが、牧師はこの本を読んでいないと思います。牧師に貸す前に、念のためページをスキャンしておきました。この記事は導入部分のみです。自分でも調べてみよう、特にクック博士の言っていることに同意できない場合はそうしよう、という気になってもらえれば幸いです。

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(ここからクック博士の小冊子の内容です)

 

危急の時のための簡素なトラクト

イエズス会の終末論が今日のアメリカに与えた影響

 

2013年8月30日

ロナルド・クック

 

イントロダクション

このシリーズを総括するにあたって、私たちの願いは、現在の悪の時代のさまざまな誤りと欺瞞が、聖書が「ミステリーバビロン大帝国」と呼ぶものに、どのように集約されるかを見ていくことである。パウロがテサロニケの信徒への手紙を書いたとき、彼の時代には「不義の謎」がすでに働いていたという真実に触れて以来、この時代の神が「教会」の中で働いていることを実証している。

私の地上での生活については、将来どうなるかはわからない。私の人生は今、終わろうとしている。これから私のミニストリーがどうなるのか、いつまで続くのか、全く分からない。しかし、私が生きている間に起こったこと、そして現在起こっていることを見てみることはできるし、そうすることもできる。

私のアメリカの友人たちは、ほとんど全員、終末論において未来派である。トリニティ・カレッジでもタルボット神学校でも、私の知る限り、私の教官達は全員、フューチャリスト(未来派)であった。私は今、年老いたとまではいかないまでも、多くの友人がすでに亡くなり、トリニティとタルボットの私の教師は全員亡くなった。私は今でも彼らのことを思い、彼らが黙示録の反キリスト-獣-について何を教えていたかを思い出す。彼らは皆、反キリストは来るべき世界の独裁者であり、教会が携挙された後でなければ現れないと教えていた。

私は、50年前に私を教えてくれたトリニティとタルボットのすべての先生方の話を忍耐強く聞いていた。彼らは、恐ろしい「罪の人」、つまり、時代の終わりに現れる最後の偉大な世界の独裁者について警告していた。彼らは私に、この見解が1590年に、イエズス会のフランシスコ・リベラによって初めて示されたものであることを教えてはくれなかった。

私は、ヨハネの黙示録に対する前世紀のアプローチで、反キリストを、教会の1世紀に存在した人物であるが、とっくに地球上から姿を消しており、今日のアメリカや世界の誰にも影響を与えていない人物であるとする、再建主義者の著作をいくつか読んだ。この見解は、1604年にイエズス会のルイス・アルカサールによって初めて示されたものである。

つまり、イエズス会の2つの反キリスト観は、過去1世代にわたってアメリカの教会に非常に大きな影響を及ぼしてきたのである。プロテスタントの改革派やピューリタンが持っていた反キリスト観は、未来派と過去主義の両方によって否定された。

私は、50年以上にわたって終末論と格闘してきた。私は預言の詳細について独断的ではない。完全な体系に当てはめることが非常に困難な細部がたくさんあるのだ。しかし、聖書がシンボルの意味を明確に示している場合、私は聖書がその領域で明らかにしていることに従う。

このトラクトでは、過去200年間におけるイギリスとアメリカでのイエズス会の教えの復活について見ている。また、完全な終末のシナリオよりも、私が生きている間に、イエズス会の終末論がアメリカのキリスト教に与えた影響について見ている。

預言者たちは、黙示録の獣を1世紀に現れ、AD70年に姿を消した男として否定し、未来派はまだ未来に「罪の人」を探しているが、教皇の「罪の人」は20世紀と21世紀初頭のこのアメリカ合衆国に多大な影響を及ぼした。預言の詳細に関する意見の相違にかかわらず、罪の教皇の男が過去1世紀の間にアメリカ合衆国に多大な影響を与えたことを否定することはできない。

聖書を信じる人々の間に起こった変化は、信じられないようなものばかりである。私がここに書く教え、功績、出来事、そして人々は、この偉大な国家に深く悪影響を及ぼした。何百万人もの聖書信者が、イエズス会の教えに基づいて預言的なフィクションを読み、他の多くの人々が罪の人を神学から完全に排除する一方で、ローマ・カトリック教会=国家は、この二つのイエズス会の見解によって生じた真空に入り、聖職者主義(神と人間の間の媒介者として司祭が機能するという信念)と、聖痕主義(聖餐式の遵守が救いに必要で、その参加によって恵みが与えられるという教理)の誤りと欺きを詰め込んでいる。

また、ローマ・カトリック教会=国家は、現在、米国の保守政治を完全に支配している。それは、今日のアメリカに「キリスト教社会秩序」を打ち立てるための文化的闘争を推し進めるものであり、それはプロテスタントのキリスト教社会秩序ではなく、イエズス会の社会秩序を意味している。実際、イエズス会を筆頭とするローマ・カトリック教会は、ピューリタンから生まれたアメリカの歴史的な聖書プロテスタント文化を解体するために、100年以上にわたって活動してきたのである。

私が初めてアメリカに来た60年前、ビリー・グラハムを含む聖書を信じるキリスト教徒は、ローマ・カトリックを世界の大きな悪のひとつと見なしていた。ビリー・グラハム自身も、その頃、イスラム教、ローマ・カトリック、共産主義を、キリスト教が直面する3大悪と見なしていたという。しかし、その後数十年の間に、ビリー・グラハムだけでなく、北米のほとんどすべての福音派のスタンスが変わってしまったのである。

しかし、ビリー・グラハムは、世俗的なスーパーマンの到来を警告しながら、ローマ・カトリックの聖職者を伝道活動に招き入れた。その後、彼の招きに応じたローマ・カトリック信者のカウンセラーとして、ローマ・カトリックの神父が任命されることになる。そのような人々は、ローマ・カトリックの制度に戻るように勧められた。ビリー・グラハムは、説教においても、フック「Approaching Hoofbeats」においても、世俗的な世界の独裁者の到来を聴衆に警告し続けたが、彼自身の働きに影響を与え、引退するまで彼の働きに影響を与え続けた反キリストの悪を、当時聴衆に警告することはしなかったのである。

実際、彼は教皇の罪の男について聴衆に警告しなかっただけでなく、数回にわたって教皇の罪の男と公然と交わりながら、聴衆に全く影響を与えない未来の罪の男について警告し続けた。そして、今現在もなお、彼らに何の影響も与えていないのである。

1960年、教皇ヨハネ・パウロ二世は第二バチカン公会議を開始した。教皇ヨハネは、ローマ・カトリック教会の門戸を開き、バチカンにおける現代のエキュメニカル運動を独力で開始した親切な人物として注目されていた。ジョン・R・ライス(故人、バプティスト派の伝道師・牧師で、有力な原理主義新聞『主の剣』の創刊編集者)でさえ、「彼は生まれ変わったキリスト者だと思う」と言うほど、彼は好かれ、陽気で、外向的だった。

確かにアメリカでは、他の地域ではともかく、ローマ・カトリックのエキュメニカル運動は、第二バチカン公会議とヨハネ教皇から大きな刺激を受けた。ビリー・グラハムはエキュメニズムを歓迎し、他の新福音派やクリスチャントゥデイとともに、ローマ・カトリックもキリスト教徒であり、ローマ・カトリック教会は姉妹であり、キリスト教の共同体であるという宣言で後に頂点に達することになる後押しをし始めた。

(つづく)

The Effect of the Jesuit Eschatologies on America Today – by Dr. Ronald Cooke – James Japan (jamesjpn.net) よりDeepLで訳しています。