天国への一歩

神・霊・魂、霊の見分けの話題。キリスト教信仰が出発点です。

イエスの失われた17年(9) 世俗の権威/女性について説く

女性についてのイッサの言葉を聞くと、
現実の男性に対する女性への扱いは、なんと遠ざかっていることかと悲しくなります。

「妻を愛しなさい」「女やもめを大切にしなさい」などは聞いたことがありますが、
教会でこのような教えを聞いたことは一度もありません。

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「聖イッサ伝」

第12章

1.「正しいおかたにお尋ねします」とエルサレム統治者のスパイたちが、イッサに聞いた。「私たちはカイザルの意志に従って行動するべきでしょうか、それとも、速やかな救いを期待するべきでしょうか、教えてください」

2.彼らが自分の追手であることをすでに覚っていたイッサは、こう答えた。「私はあなたがたに、カイザルからの解放を説いたのではありません。解放されねばならないのは、あやまちに落ちたあなたがたの魂なのです。

3.「家長のない家があり得ないように、カイザルがいなければ、一つの国民に秩序はあり得ません。カイザルに絶対服従を捧げるのは当然です。最高法廷に立って行動に責任が取れるのは、ただカイザル一人ですから」

4.「カイザルが、神の義を持っているとういことですか」と、更にスパイたちが聞いた。「そしてカイザルは、人間の中の最もすぐれたものだということですか」

5.「人間の中で、カイザル以上のものはあり得ないでしょう。だが同時に、苦しみ悩んでいる人たちもいるのです。選ばれて、使命を任された人々が、その人たちのことを世話してあげねばなりません。天の父の聖なる掟が定めている手段を使って。

6.「慈悲と正義は、カイザルに与えられている最も高い特質です。カイザルがその人たちを支えてくれるなら、彼の名はこの世に輝くでしょう。

7.「しかしカイザルがそれをせず、民に及ぼしてよい力の限界を踏み越えて、民の命を危険に曝(さら)すなら、大いなる裁き主の怒りは彼に降り、当然ながら、その威厳は失われるでしょう」

8.ちょうどそのとき、イッサの説教をもっとよく聞こうとして、老婆がそばへ近づいてきた。しかしスパイの一人がそうさせなかった。彼女は押しのけられ、前に出るのを拒まれた。

9.するとイッサが前に出た。「子どもが母親を押しのけて、その席を取ってしまうようなことがあってはなりません。母を敬わなければ、子と呼ばれる値打ちはありません。母は子にとって、神に次ぐ存在です。

10.「だからあなたがた、私のことばをよく聞きなさい。女性を敬うこと。女性は世の母であり、神の創造の真理は女性の中にあるのです。

11.「すべて善なるもの、美なるものの根源は女性です。生と死の起源が女性にあるように。人間というものの全存在は女性にかかっています。女性は人間の自然と道徳の支えですから。

12.「女性は苦しみのさなかで、あなたを生みました。額に汗してあなたを育てました。彼女が死ぬまで、あなたは彼女に、ひとかたならぬ心配をかけつづけます。女性を祝福し、女性をあがめなさい。彼女は唯一あなたの友であり、この世であなたが頼れる唯一の支えですから。

13.「彼女を尊敬し、彼女を支えなさい。そうすることによってあなたは、彼女の愛の心を自分のものにすることができ、神の恩寵をその中に見、すべての罪から赦されるでしょう。

14.「同じように、妻を愛し、妻を尊敬しなさい。彼女たちは明日には母となり、やがて民族の祖になるのですから。

15.「女性に対し、情け深くありなさい。女性の愛は男性を高め、頑なな心を和らげ、男の中の獣を馴らして子羊にします。

16.「妻と母とは、神があなたに贈ってくださった小さな宝です。彼らは生きているあなたに与えられた、最も美しい飾りであり、この世のすべての民が彼らから生まれます。

17.「天地創造の昔、万軍の神は闇から光を、自ら陸を分けられました。それと全く同じように、女性には、人の善くない心から善い意志を取り分ける神の力が備わっています。

18.「ですから私は、あなたがたに告げます。神を求める人間の最良の心は、本来女たち、妻たちのものです。女性はあなたがたにとって神の宮であり、この宮の中であなたがたは、紛(まご)うかたなく完全な、幸せを得ることになるのですから。

19.「この宮の中で、強い道徳的な力を、自分に吹き込みなさい。この宮の中で、あなたは悲しみも過ちも忘れ、隣人を助けるために必要な力を、もう一度自分のものにするでしょう。

20.「女たちを恥ずかしめてはなりません。自分を恥ずかしめることになるからです。そういうことをすれば、愛の心は失われてしまいます。愛がなくてなぜ、地上の何が生きられるでしょう。

21.「妻を守ってあげなさい。妻があなたやあなたの家族を守れるように。あなたが妻や母や、やもめ、そのほか苦しんでいる他の婦人たちにしてあげることは、すべて、あなたがあなたの神にすることになるのです」

「イエスの失われた十七年」(エリザベス・クレア・プロフェット著/下野博訳)より

(続く)