天と地のシンボリズム
また、聖書の中でよく使われる比喩として、次のような表現があります。例えば、次のようなものです。
創世記1章1節
はじめに、神は天と地を創造された。
スティーブンスは、「天と地」を次のように説明しています。
「初めからあった旧世界の秩序(Gk. コスモス)であり(創世記1:1)、目に見えない霊的領域と目に見える地上の領域を含む、全宇宙の秩序ある配置のことであった。その秩序ある世界(Gk. コスモス)は、アダムの堕落によって破壊され、滅びる運命にあり、メシアによって立てられた新しい世界の秩序に取って代わられるのである。」
また、スティーブンスは次のように指摘しています。
「多くの文脈で、天と地という表現は、世界の秩序や整然とした配置(Gk. コスモス cf. 使徒17:24; 黙示録11:15; 13:8; 17:8 )、あるいは世界情勢の管理(Gk. オイコノミア cf. エペソ1:10; 3:9; 1テモテ1:4 )という意味合いを持つのである。」
士師記5章4節
主よ。あなたがセイルを出て、エドムの野を進み行かれたとき、大地は揺れ、天もまた、したたり、雲は水をしたたらせた。
カナン人の王とその軍勢を打ち破った後、預言者デボラはバラクと共に、神の力の凄さを、終末論的な比喩を用いて歌い上げました。「地は震え、天は落下した」。
第2サムエル記22章8節
そのとき、地は揺れ動き、揺れ動いた。
天の礎は震え
怒りのあまり震えた。
ダビデ王はこの歌で主を礼拝し、サウルやペリシテ人のような強敵から神が自分を救い出された様子を、比喩を用いて表現しています。「大地が揺れ動き」「天が震えた」という表現は、それまでの悪の支配者とその王国が倒されたことを意味しており、地球や太陽系が文字通り破壊されたわけではありません。
イザヤ書13章13節
それゆえ、私は天を震え上がらせる。
すると地はその場から揺り動かされるだろう。
万軍の主の怒りに触れて
その激しい怒りの日に。
この箇所は、イザヤのバビロンに対する神託の一部で、黙示録的な言葉を用いて、メデスによるバビロンの完全な破壊と打倒を預言しています。これは紀元前539年に成就しました。
ヨエル書3章16節
主はシオンから咆哮する。
エルサレムからその声を発する。
すると、天と地が震える。
この箇所は、旧約のユダとエルサレムの最後の日についてのヨエルの預言の一部です。ペンテコステの日にペテロは、この預言が自分の時代に成就している「最後の日」であると言いました。(使徒2:16-21)
雲と闇のシンボル
「雲に乗って来る」「濃い闇」といった表現は、以下の例に見られるように、神の敵に対する裁きの力の凄まじさを象徴するものとして、旧約聖書ではしばしば用いられます。
サムエル記下22章12節
彼は自分の周りの闇を自分の天蓋とした。
厚い雲、水の集まり。
旧約聖書の「雲に乗って来る」「厚い闇」は、旧約聖書において、裁きを行う神の素晴らしい力の象徴としてよく使われます。
この詩は、神が敵から自分を救い出した様子を比喩を使って表現した、ダビデの歌の一部です。
詩篇 97:1-2
主は君臨する、地は喜べ。
多くの海岸に喜びを与えよ。
雲と厚い闇が彼の周囲にある。
義と正義はその王座の基礎である。
詩篇104:3
彼は雲をその戦車とし
風の翼に乗られる。
イザヤ書19章1節
エジプトに関する神託
見よ、主は迅速な雲に乗って、エジプトに来られる。
エレミヤ4:13
北からの災い(アッシリア)
見よ、彼は雲のように上ってくる。
その戦車はつむじ風のようだ。
その馬は鷲よりも速い。
災いなるかな、われわれは破滅したのだ
エゼキエル30:3
エジプトへの哀悼
その日は近いのだから。
主の日は近い。
それは雲の日である。
諸国民の破滅の時
ダニエル7:13
人の子に関するダニエルの幻
すると、見よ、天の雲とともに、人の子のような者が来た。
ナホム1:3
ニネベに関する神託
彼の道はつむじ風と嵐の中にあり、雲は彼の足のちりである。
ゼパニヤ書1章15節
怒りの日がその日である。
悩む日、苦しむ日
破滅と荒廃の日。
暗く憂鬱な一日
雲と厚い闇に覆われた一日。
この箇所は、先に述べたゼパニヤの預言の一部で、偶像崇拝、不正、腐敗を行った、ユダとエルサレムに対する神の罰に関するものです。
スティーブンスは、雲は神の出現を意味することもあると述べています。例えば、こうです。
荒野での毎日、昼は栄光の雲、夜は炎の柱、これは神の民に対する神の出現でした。ソロモンが神殿を捧げたとき、栄光の雲が現れ、目に見える形で神殿を覆い、そこに住みました。
(つづく)
Parousia Fulfilled ‐ Symbolism & Metaphors よりDeepLで翻訳しています。