天国への一歩

神・霊・魂、霊の見分けの話題。キリスト教信仰が出発点です。

イエズス会の終末論が与える影響(12)

 

(管理人)文章の内容の繰り返しと引用が多かったので、内容を削って要約の形にしてあります。

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第6章 聖書によれば反キリストの象徴は野獣

ダニエル書に記されている聖書の明白な教えの一つは、「獣」(カルデア語でCHAYAH、ギリシャ語でTHERION・テリオン)という言葉は、個々の人間の象徴ではなく、王国や世界帝国の象徴として使われているということだ。

実際、私がこれまで読んだダニエル書の注解者たちは皆、「獣」という言葉をこのように解釈している。古くから人々はダニエルの「獣」を、世界的な王国と見なしてきた。

エルサレムのキリルもこう言っている。

「大天使ガブリエルがこう言って解釈したように、第四の獣は地上の第四の王国であり、それはすべての王国を超えるものである。」

教会の初期の神学者たちはみな、「獣」=「テリオン」=「野生の獣」を、「世界規模の大帝国」と解釈している。

アダム・クラークはこう書いている、

「この章(黙示録13章)の解釈を進める前に、預言の象徴である「獣」の意味を確認することが必要であろう。この用語の正しい理解の欠如が、これほど多くの矛盾した仮説が世界に発表された一つの理由だからである。」

彼は続けて説明する。

「この土台を築いた上で、ダニエル書の4つの獣のうち、最後の獣に関する天使の解釈を検証しなければならない。ダニエルは、『第四の獣の真理を知りたい』と強く望んでいた。第四の獣は、他のすべての獣と異なり、非常に恐ろしく、その頭にある十本の角である。天使はこの幻をこう解釈した。『第四の獣は、地上の第四の王国であり、すべての王国と異なっていて、地球全体を食い尽くすであろう』。次にクラークは、天使による『獣』の解釈の意味を示している。『この聖句では、第四の獣が地上の第四の王国となることが明白に宣言されている。したがって、ダニエルが見た四つの獣は四つの王国であり、獣という用語は王国の預言的象徴である。』」

「『獣』という用語が表す王国の性質については、原語のCHAYAHを調べることで少なからぬ光を得ることができるだろう。この旧約聖書の言葉は、70人訳聖書ではギリシャ語の『テリオン』で訳されており、どちらの言葉も私たちが野生の獣と呼ぶものを意味する。テリオンは、ヨハネが黙示録の13章で、使っている言葉である。」

「したがって、ギリシャ語の「テリオン」を野生の獣という意味でとらえるなら、その権力や王権も野生の獣の性質を帯びているはずだ。したがって、地上の好戦的な権力が意図されていることは明らかである。動物の世界では、いくつかの野獣が絶え間ない戦いを続けているように、政治の世界でもほとんどの政府がそうであるからだ。」

「この獣は海から立ち上がると言われているが、これはダニエルの4つの獣と対応している。海は多数の国々であり、その意味は、あらゆる強大な帝国は多数の国々の廃墟の上に立ち上がるということである。したがって、獣が表す王国または帝国は、西ローマ帝国の廃墟から立ち上がるものであると考えられる。

黙示録の野獣は、世界規模の大帝国である。それは、他の獣と類似しているだけでなく、邪悪な霊的な力によって支えられているという点で、他の獣とは異なっている帝国だからだ。それは、見せかけの聖性、嘘の奇跡、そして最も突飛な教義と非合理的な主張によって、人々の心と身体を支配しているのだ。

人類の既知の歴史の中で、ローマ・カトリックのローマ法王庁ほど、"冒涜"の名を主張する体制は無いと思われる。悪徳、淫乱、殺人、虐殺、人に知られた、ありとあらゆる悪において比類なき人間たちの王朝が、キリストの代理人、宇宙の最高神であると主張しているのである。このような冒涜の深さは、他のどの王朝でも達成できるものなのだろうか。あるいは、この黙示録の野獣の複合的な冒涜に、一人の人間が匹敵することができるだろうか?

しかし、ウィリアム・R・ニューウェルは、黙示録13章の「獣」は一人の男として解釈されなければならないと書いている。このことから、「獣」という言葉の聖書的識別をとっていないことが分かる。つまり、彼の特定の預言者的な好みからそうしているのであって、聖書からではない!

ダニエル書の預言的聖句にあるように、「獣」という言葉を天使的に解釈すると、この言葉は、王国または帝国と解釈されなければならないのだ!ここでは、彼と彼のような何千人もの人々が、聖書が与える「獣」という言葉を霊的に解釈しているのである。彼は、シンボルの意味を変えて、それを個々の人間に仕立て上げている。

聖書は、4つの別々の場所で、このシンボルの意味を非常に明確に示している。しかし、イエズス会とそれに従う現代のプロテスタントは、聖書が宣言していることを否定している。

もちろん、イエズス会が野獣の性質に関して聖書に明白に示されていることを見たくなかった理由は、ラーキンが指摘したように、ローマ教皇の支配が、黙示録の野獣の終末論的王国と非常に密接に対応していたからである。イエズス会は、教皇庁の支配を獣-反キリスト-の支配から切り離すことに力を注いだのである。

明らかに、イエズス会には2つの方法があり、彼らはそれを利用した。

彼らは反キリストを、教会史の初期に現れる人物、あるいは教会史の最後の方まで現れない人物とした。こうすることで、彼らは耳を傾ける誰に対しても(プロテスタントの大多数は耳を傾けていた)、教皇庁の支配が獣であるはずがない、なぜなら獣はすでに現れて去ってしまった人か、まだ現れていない人に過ぎないと主張できたのだ。

イエズス会が彼らの見解の両方を推進し、擁護したという事実は、重要な問題に違いない。なぜなら、両者の見解が相互に排他的であることは、彼らにとって重要でないように思われたからである。もし人が、反キリストが1世紀に生じて倒れたと信じるなら、同時に、反キリストはまだ来ていないと主張することはできない。しかし、イエズス会はそれを実行した。

あるイエズス会は「反キリストはすでに現れて去った」と主張し、他のイエズス会は「反キリストはまだ現れていない」と主張したのである。

つまり、改革派と清教徒が互いに対立してでも、その立場に反論しようとすることに主眼があったようだ。彼らはプロテスタント同士を戦わせることにも成功したのだ。

再建主義は皆イエズス会のアルカサールに従うのに対し、未来派の多くはイエズス会のリベラに従うので、イエズス会の教えをめぐって聖書を信じるプロテスタントが互いに争うという奇妙な異常事態が起きている。

私は、未来派の立場を非難する再建主義の熱いレトリックをいくつか読んだが、彼らは自分たちが改革派プロテスタントではなく、イエズス会の教義を争っているということに気づいていないようだ。

しかし、再建主義とイエズス会についてもっと読むと、再建主義者は、共同体に対する考え方、文化戦争の考え方、世俗的ヒューマニズムと戦うために、ローマ・カトリックやその教会と共闘することを推進するなど、イエズス会に非常に近く従っていることがますますよく分かってくる。

(つづく)

According to the Scriptures the Biblical Symbol of the Antichrist is a Wild Beast – James Japan (jamesjpn.net) よりDeepLで訳してあります。

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【黙示録13章】

1 また私は見た。海から一匹の獣が上って来た。これには十本の角と七つの頭とがあった。その角には十の冠があり、その頭には神をけがす名があった。

2 私の見たその獣は、ひょうに似ており、足は熊の足のようで、口は獅子の口のようであった。竜はこの獣に、自分の力と位と大きな権威とを与えた。

3 その頭のうちの一つは打ち殺されたかと思われたが、その致命的な傷も直ってしまった。そこで、全地は驚いて、その獣に従い、

4 そして、竜を拝んだ。獣に権威を与えたのが竜だからである。また彼らは獣をも拝んで、「だれがこの獣に比べられよう。だれがこれと戦うことができよう」と言った。

5 この獣は、傲慢なことを言い、けがしごとを言う口を与えられ、四十二か月間活動する権威を与えられた。

6 そこで、彼はその口を開いて、神に対するけがしごとを言い始めた。すなわち、神の御名と、その幕屋、すなわち、天に住む者たちをののしった。

7 彼はまた聖徒たちに戦いをいどんで打ち勝つことが許され、また、あらゆる部族、民族、国語、国民を支配する権威を与えられた。

8 地に住む者で、ほふられた小羊のいのちの書に、世の初めからその名を書きしるされていない者はみな、彼を拝むようになる。

9 耳のある者は聞きなさい。

10 とりこになるべき者は、とりこにされて行く。剣で殺す者は、自分も剣で殺されなければならない。ここに聖徒の忍耐と信仰がある。

11 また、私は見た。もう一匹の獣が地から上って来た。それには小羊のような二本の角があり、竜のようにものを言った。

12 この獣は、最初の獣が持っているすべての権威をその獣の前で働かせた。また、地と地に住む人々に、致命的な傷の直った最初の獣を拝ませた。

13 また、人々の前で、火を天から地に降らせるような大きなしるしを行った。

14 また、あの獣の前で行うことを許されたしるしをもって地上に住む人々を惑わし、剣の傷を受けながらもなお生き返ったあの獣の像を造るように、地上に住む人々に命じた。

15 それから、その獣の像に息を吹き込んで、獣の像がもの言うことさえもできるようにし、また、その獣の像を拝まない者をみな殺させた。

16 また、小さい者にも、大きい者にも、富んでいる者にも、貧しい者にも、自由人にも、奴隷にも、すべての人々にその右の手かその額かに、刻印を受けさせた。

17 また、その刻印、すなわち、あの獣の名、またはその名の数字を持っている者以外は、だれも、買うことも、売ることもできないようにした。

18 ここに知恵がある。思慮ある者はその獣の数字を数えなさい。その数字は人間をさしているからである。その数字は六百六十六である。