天国への一歩

神・霊・魂、霊の見分けの話題。キリスト教信仰が出発点です。

「DOUBLE CROSS」イエズス会を脱会したアルベルト・リベラ (2)

リベラ:「それで彼女は私をマリアの個室まで連れて行った。院長が個室のドアを開いた時、私は死の臭いを嗅ぎ取った・・・私は自分が見たものが信じられなかった!」

ひどい有様だった。私は彼女を見た時、くずおれ泣いた。私はローマに対する嫌悪でいっぱいになった。私の可哀そうな小さな妹は、体重が27㎏にも満たなかったのだ。

リベラ:「マリア!」

私は彼女の血がドレスを浸しているのを見た。それは乾いて固くなっていた。それは鞭打ちによる傷から引き起こされた、ただれから流れていた。

リベラ:「マリア、私が分かるかい?」

私は彼女が死んだと思っていた。私は腐った肉の臭いで目まいがし、ほとんど吐きそうになった。すると彼女が動いたのを見た。

ジェイムス:「失礼だがアルベルト、この鞭打ちというのは何ですか?理解できないのですが。」
リベラ:「時々彼らは鋲やするどい釘の付いた鞭を使うんだ。」
ジェイムス:「まさか?」
リベラ:「ジム、男子修道院や女子修道院の中には違ったローマカトリックの制度があり、それも宗教的な訓練の一つなんだ。尼僧や修道僧たちは自分自身を鞭打ったり、同じ宗教制度内では他の仲間から打たせたりするんだ。」

リベラ:「いいかいジム、その組織では彼らに自分達が苦しめば苦しむほど(※)、キリストや処女マリアの近くに行けるというように教えているんだ。」
ジェイムス:「これは、彼らが煉獄から抜け出るのを早める方法なんですか?」
リベラ:「それはその方法の一つなんだよ、ジム。」

(※これはローマカトリックの業の教義に基づいている。ローマカトリックの組織では、信仰それだけでは誰も救われないと教えている。しかし聖書は言っている、「あなたがたの救われたのは、実に、恵みにより、信仰によるのである。それは、あなたがた自身から出たものではなく、神の賜物である。決して行いによるのではない。それは、だれも誇ることがないためなのである。」(エペソ人2章8~9節))

マリアは私の呼びかけに答えた。

リベラ:「マリア、君には医者が必要だ。彼らが君を傷つけたのか?」
マリア:「違うのアルベルト。誰も私を傷つけていないわ・・・私はとても不道徳で邪悪だから死ぬ程に罰せられる値があるのよ。」
リベラ:「何故自分を傷つけるんだ、マリア?」

マリア:「私はしなければならなかったの・・・朝に夕に、どんなに秘蹟を受け告解を受けたりしていても、その度毎にもっと惨めな気分になっていくの。何の希望もないわ、アルベルト。絶望的なのよ。」

マリア:「何故なら彼は私のために苦しんで下さったから。これ(手に持った十字架のキリスト像)は私の夫。私はキリストと結婚しているの。私は彼のために死ぬのよ。」
リベラ:「マリア、これは私達の愛するイエス様に対する冒涜なんだ。彼の唯一の花嫁はキリストの本当の教会だ。そして確かに、この組織はキリストに属していない。」

マリア:「その十字架に口づけしないと。」
リベラ:「マリア、神の名にかけてそれを止めろ!それは死だ。これはキリストじゃない。」
マリア:「いやよアルベルト。」

聖書は、処刑の時にキリストが架けられた十字架上の言葉について教えてくれている。
ナザレのイエス ユダヤ人の王」(ヨハネ19章19節)

だが、ローマカトリックの十字架にはこう書いてある:I.N.R.I.

ウェブスター辞書はI.N.R.I.はこう意味していると言う:Iesusu Nazarenus, Rex Iudaedrum

しかしイエズス会の究極の誓い(※後の回で説明)においては、それは特別な意味を持っている。

ラテン語でI.N.R.I.は次を意味する:Iustorn, Necar, Regas, Inpios

ティム:「アルベルト、何故あなたはその十字架が死だと言われたのですか?」
リベラ:「ティム、それを英語に直すとI.N.R.I.は次のことを意味する・・・正に不審人で異端的な騎士や政府、支配者(※)を撲滅することを意味するのだ。イエスの十字架は赦しと命を与えるもので、その十字架(マリアが持っていた)はイエズス会の復讐と死のシンボルなのだ。」

(※未信者やプロテスタントの騎士や支配者を殺すことは構わない。)

尼僧:「マリア様に栄光を。」
院長:「リベラ神父、彼女を放っておきなさい!」
リベラ:「これは悪魔の道具だ。おお主よ、彼女の心を照らして下さい。」
尼僧2:「なんてこと!あの十字架を見て!」
尼僧3:「マリア様、天の女王様、私たちをお助け下さい!」

リベラ:「マリア、イエス・キリストのお名前を呼ぶんだ。彼だけが君の救い主だ。君は彼の教えに従わなくてはならないよ。今私が彼に君の罪の赦しと、このような宗教的なまやかしに対する悔い改めを祈れば、彼が君のために十字架の上で流して下さった血によって、君はもう自由になれるんだ。」
マリア:「アルベルト、彼は聞いてくだるかしら?」
リベラ:「ああマリア、君はそのままでいいんだ。」

ジェイムス:「彼女は救われたんだろうか、アルベルト?」
リベラ:「そうだ。私は彼女に書かれた神の言葉に信頼するように言って、彼女はそうした。ありがたいことにね。」

(メモ:ローマカトリックの教義では、聖書だけが神の言葉だとは見做されていない。彼らにとって神の言葉というのは“伝統”であり“権威”(組織という権威をもってする教え)であり、最後に聖書が来る。これを一つに合わせて初めて、神の言葉として見做されるものが持てるのである。)

マリアはキリストに仕えることができるよう、私に自分をそこから連れだしてくれるよう頼んだ。そこで私は・・・

リベラ:「どうか私を通して下さい。私はマリアをこの邪悪な場所から連れだしたいのです。誰も私を止めることはできません!」
マリア:「やっと自由になれたわ!」
院長:「神父、これは誘拐です。あなたが彼女を連れていくのは彼女の意志に反します!」

尼僧達は怒り狂った。

警察:「一体どうしてイギリスでこのようなことが起こったのか?」
警察2:「リベラ先生、あなたは修道院長がこの罪で逮捕されることを望みますか?申し立てなされば、彼女を連れだしましょう。マリアがその証拠です。」
リベラ:「いや、警察のお方、神が彼女を裁き、彼女とこの施設に対して裁いて下さり、判決を下されるでしょう。」

尼僧達:「院長様は悪くありません。彼女は私達にとって聖人です。どうかご慈悲を!」
尼僧達:「おお神の母よ、私達をお助け下さい。」

警察の助けだけで、アルベルトと彼女の妹は無事に逃れることができた。

私達は去り、マリアを医者に見てもらうため連れて行った。

院長:「彼は永遠に呪われればいい!処女マリア様がリベラ神父のことをどうにかしてくれるだろう。彼は私達の聖なる父である教皇様を売り飛ばした、もう一人のユダだ。」

この時点で私はローマの死のリストに上げられたのだった。

(つづく)