漫画「ALBERTO」より
リベラ:「私が自分の信仰に最初衝撃を受けたのは、自分の大切な母が死んでしまったことだったと思う。彼女は全く教会に仕え、その教えに一度も疑問を持つことが無かった。自分の司祭達を信頼していたからだ。」
リベラ:「彼女がキリストがいない永遠の状態に行こうとしており、顔に恐怖の表情を浮かべて叫び声を上げていた時にも・・・司祭は私に彼は自分のできること全てをしたと言ったのだ。」
「彼女は自分の魂を犠牲にしたのだ。私は責められるべきは司祭達だと思ったんだ。それで自分が司祭になり、真実をつかもうと誓ったのだ・・・。そうだ、母の死は自分の信仰を揺るがせた最初の大きな出来事だったんだ。」
リベラ:「次に私を深く悩ませた出来事が、ある夜学校で起こった。私はもう少しで眠りに落ちて行く所だった。その時誰かがベッドに上ってきて、私にキスをし始めたんだ。」
リベラ:「なっ・・・僕のベッドから出て行け!」
(リベラその男を殴る)
リベラ:「神父様、校長・・・神父様!ここに来て下さい!
神学生:「鼻が・・・俺の鼻を折ったな!」
神父:「一体どうしたんだ?」
リベラ:「神父様・・・彼が僕のベッドに入ってきて、キスをしてきたんです。そして・・・」
神学生:「アルベルトが僕の鼻を殴ったんです。神父様。」
神父:「皆この部屋から出て行け・・・アルベルトはここに残れ。」
「恥かしいぞアルベルト!赦しを乞うために膝まずけ!膝まずいて自分の罪を告白しろ!」
アルベルト:「でも神父様・・・彼が僕のベッドに入って来たんですよ。訳が分かりません!僕の罪?」
神父:「お前の罪はだな、アルベルト・・・彼の愛をお前が拒んだことだ。その愛は神の愛なのだ。お前はそれを拒否したのだ!」
私が驚いたのは、ホモセクシャルは疑問にもされなかったことだった。
時が経つにつれ、私はホモセクシャルであることが、司祭から枢機卿(教皇の次に位置する)まで浸透しているシステムであったことを発見した。
リベラ:「ローマカトリックの制度が、司祭と尼僧の結婚を許していないという事実が、とんでもない問題を引き起こしてきたのだ。私は告解の中で、ある尼僧がレズビアンについて告白するのを聞いたり、ある者が司祭と親密な仲になったことを告白するのを聞いたりしたのだ。」
ジェイムス:「彼らはきっと絶えず欲求不満の状態にあったに違いない、アルベルト!」
リベラ:「そうなんだジェイムス!」
ティム:「アルベルト、俺は年取った婦人から話しを聞いたことがあります。作業夫がカトリック教会の敷地を掘っていた時に、墓がある所の地面の下に、隠されたものを発見したんだ。それは赤ん坊の頭蓋骨だった・・・恐らく尼僧が妊娠して産まれた赤ん坊なのだろう。それは本当なのでしょうか?」
リベラ:「ああそうだ。それは本当のことだ!1934年にスペインのセビリアで起こったことだ。
同じく1932年にマドリードでも見つかったのだ。さらにもう一つ、スペインの北のバスク地方でも見つかったんだ。アズナール大統領とマニュエル・アザナの政府は、全ての修道院、修道会、ローマカトリックの学校や建物で、国家的な調査を行うよう要請したのだ。」
リベラ:「そのような埋葬地は、スペインとローマで数多く見つかった。1936年までに、スペインの怒り狂ったカトリック教徒達は、襲撃して多くの教会の建物を破壊したが、そこにはこのようなトンネル(※)が存在していたのだ。」
(※尼僧のための修道院と、司祭のための修道院をつなぐ地下トンネルがあり、その内部に赤ん坊の遺体が葬られていた。)
政府から遣わされた医師達は、遺体を調査し、それらのほとんどは窒息により死に至ったものだと報告した。この点からして、ローマカトリックの制度が堕胎を反対しているのはおかしなことではないだろうか?
リベラ:「もちろんローマカトリックの司祭職がなければ、ローマカトリックという団体もあり得ない・・・」
ティム:「どうしてです?」
リベラ:「というのも、一番重要な誓いが独身の誓いだからだ。それがなければ聖職者による秘蹟もなくなるのだ。その土台の上に司祭は立っているのだ。彼らはこう主張する。神は恩寵により彼らを他の者達にまさって愛しておられる。なぜなら彼らは結婚しないままでいるからだ。」
リベラ:「もし全ての司祭が結婚するならば、ローマカトリックのシステムは壊れてしまう・・・
なぜなら、この組織は法(教会法)の上に成り立っているからだ。それによると、教皇だけが司祭職を現実化させることができるのだと言っている。教皇がいないと、ローマカトリックの組織もない。」
教皇は世界を治めているとされている。アウグスティヌスの「神の国」のラテン語バージョンの原本により、この問題は420年代のローマカトリックである著述家の彼よって、はっきりと言われている。
より新しいバージョンの方は、民衆から隠しておくため、この箇所は取り除かれている。
“彼(教皇※)は太陽であり、宇宙の支配者である。月(地上の政府)は彼の栄光を反映する。地球は彼の下に膝まずく全ての人々である。”
(※アウグスティヌスの時代、教皇はローマの司教と呼ばれていた。)
アウグスティヌスは取り分けこう言った。神は教皇に、イエス・キリストのように、教育、政治、経済、軍事力を通して、地上における全ての国の、全ての民をコントロールするため、聖なる権威をお与えになったのだと。
私の学校で起こった次の大きなショックは、私が15歳の時のことだった。教官が、ペテロは最初の教皇だったと話していた。私はほとんど自分を破滅させるような質問をしてしまった。
教官:「立てアルベルト!お前は何と言った?」
私は教皇その人にたてついたのだということを、ほとんど分からないでいたのだ。
その教官は、使徒ペテロが最初の教皇であることを証明するため、シモン・ペテロがローマカトリック教会が建てられた岩であると言ったのだ。
リベラ:「どうしてペテロが教会が建てられている岩でありえますか?私には理解できません。あなたがラテン語とギリシャ語から教えて下さったことによれば、シモンは“砂”を意味し、ペテロは“小さな石”を意味しているといいます。イエスが岩なのではないでしょうか?」
教官:「それは古アラム語の聖書において証明されているからだ。それはもう存在しないのだが。
私はお前に質問してよいとの許可を与えていないぞ、アルベルト!」
リベラ:「どうか続けさせて下さい、お願いします・・・イエスは言われました。『この岩の上に私は自分の教会を建てる。』そうすると、ペテロはその岩にはなれないんじゃないでしょうか。というのはそのすぐ後で、イエスはペテロのことを“サタン”と呼んでいるからです。」
教官:「出て行け!私の授業から失せろ!お前は秩序から外れている。お前はまるで異端者か共産主義者のような話し方をするな。外で待っていろ!」
2時間後--------------------
教官:「君を私のオフィスに呼んだのは、君が間違ったことをしたからなんだ・・・君が言ったことはとても危険なんだ。」
リベラ:「僕が何をしたと言うのです?なぜ先生は、僕のことをそんな呼び方で呼ぶのです?」
教官:「私は自分を守らなくてはならないのだ・・・たとえ君が言ったことに、私が賛成していたとしても。私は今まで自分が本当に信じていることを、生徒達に知らせたことはなかったのだ。」
リベラ:「僕は訳が分かりません、神父様!」
教官:「もし私が君のことを校長に報告したならば、罰せられるだろう!君がしたことは、かなり危険なことなんだ。いつか君は絶対に口にしてはいけないようなことを発見するだろう。君に警告しておく・・・さあ、行け!」
(つづく)
原文はこちら↓
http://www.fmh-child.org/Alberto.html