天国への一歩

神・霊・魂、霊の見分けの話題。キリスト教信仰が出発点です。

幽玄の地 奥永源寺(2)

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永源寺は、第55代天皇である文徳天皇の第一皇子、

惟喬親王(これたかしんのう)(844~897)にゆかりのある土地なのだそうです。

天皇の第一子でありながら、皇位継承争いに敗れた惟喬親王が、ここに落ち延びてきたとのことです。

ところで「木地師」(きじし)って言葉知っています?

私もここに来るまで知らなかったんですが、

木製のお椀やお盆を作る職人さんのことを言うそうで、この奥永源寺木地師の発祥の地なんだそうです。


惟喬親王が技術者集団を引き連れて奥永源寺に来て、この木地師の技を発明したそうです。

ここは「さる高貴なお方が落ち延びて」

という言葉がぴったりと当てはまる地だと思いました。

地名にも「君が畑」とか「政所」とかあって、山奥なのにまるでミニ中央政府のようです。

田舎の山奥なんだけど、単なる山村とはどこか違う、

いかにも身分の高い人が隠棲していた感じなんです。

この感じ、高野山の南側を抜ける、竜神国定公園を車でドライブしていた時にも感じたなあ。

ちなみに吉野の桜で有名な、吉野地方もそういう感じらしいです。

春になったら吉野も探検してみたいなあ。

案内してくれた人によると、木地師達はここから日本全土に散っていったらしく、

その技を各地に伝えたそうです。

その一方、情報の運び屋としてスパイ的なこともしていたらしい…

この地から甲賀とか伊賀の地が近いのですが、彼らとどうも関係があるようなのです。

木地師達も秦氏系の人間だったのでしょうか?

ちなみにミュージシャンの小椋桂さん、

昔東北の方で、小椋を名乗る木地師達がいる村にお世話になったそうです。

その時とても感銘を受け、彼らに敬意を表して、自分の芸名に「小椋」と付けたそうなのです。

なので本名は小椋ではないということです。

永源寺の人達は、そのエピソードを聞きつけて、

小椋桂さんにこの地に呼んだそうです。そしてライブをやってもらったそうです。

ちょっと不思議な話だと思いません?

永源寺は「政所茶」という高級茶の産地でもあります。

切り立った杉林のふもとに、かわいらしいお茶畑が斜面に広がります。
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(つづく)