惟喬親王(これたかしんのう)(844~897)にゆかりのある土地なのだそうです。
ところで「木地師」(きじし)って言葉知っています?
私もここに来るまで知らなかったんですが、
ここは「さる高貴なお方が落ち延びて」
という言葉がぴったりと当てはまる地だと思いました。
地名にも「君が畑」とか「政所」とかあって、山奥なのにまるでミニ中央政府のようです。
田舎の山奥なんだけど、単なる山村とはどこか違う、
いかにも身分の高い人が隠棲していた感じなんです。
ちなみに吉野の桜で有名な、吉野地方もそういう感じらしいです。
春になったら吉野も探検してみたいなあ。
案内してくれた人によると、木地師達はここから日本全土に散っていったらしく、
その技を各地に伝えたそうです。
その一方、情報の運び屋としてスパイ的なこともしていたらしい…
この地から甲賀とか伊賀の地が近いのですが、彼らとどうも関係があるようなのです。
ちなみにミュージシャンの小椋桂さん、
昔東北の方で、小椋を名乗る木地師達がいる村にお世話になったそうです。
その時とても感銘を受け、彼らに敬意を表して、自分の芸名に「小椋」と付けたそうなのです。
なので本名は小椋ではないということです。
奥永源寺の人達は、そのエピソードを聞きつけて、
小椋桂さんにこの地に呼んだそうです。そしてライブをやってもらったそうです。
ちょっと不思議な話だと思いません?
奥永源寺は「政所茶」という高級茶の産地でもあります。
切り立った杉林のふもとに、かわいらしいお茶畑が斜面に広がります。
(つづく)