天国への一歩

神・霊・魂、霊の見分けの話題。キリスト教信仰が出発点です。

マタイ24章の全体はAD70年のエルサレム陥落のこと(2)

(AD66年にエルサレム上空にハレー彗星が現れた)

 

デヴィッド・パッドフィールドさんの「エルサレムの破壊」という記事から、マタイ24章のイエス様が言われた言葉に対応する、当時起こった出来事を記録した歴史的資料の紹介です(抜粋)。

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(前略)

<偽キリスト>

イエスは弟子たちに「『わたしはキリストである』と言って、わたしの名によって多くの者がやってきて、多くの人を惑わすであろう」(マタイ24:5)と警告した。イエスが預言したように、多くの偽預言者が現れた。

ヨセフスは、「前者よりもユダヤ人を苦しめたエジプト人の偽預言者がいた。彼は詐欺師であり、預言者のふりをし、彼に騙された3万人を集めた。」(『The Wars Of The Jews』2:13:5)と書いている。

ファドゥスがユダヤの総督であったとき、テウダスという名のある魔術師が、民衆の大部分を説得して、自分たちの努力と一緒にヨルダン川までついて来させた。(『ユダヤ人の古代』20:5:1)。

<戦争と戦争のうわさ>

弟子たちは「戦争と戦争のうわさを聞くようになる」と警告されたが、イエスは「あなたがたは悩まないようにしなさい」と言われた(マタイ24:6)。(中略)

ローマの歴史家タキトゥスは、この時代についてこう語っている。

「私が踏み出そうとしている歴史は、災害の多い時代、戦いの多い時代、内戦の多い時代、平和な時でさえも恐ろしい時代である」。4人の皇帝が剣で倒れ、3つの内戦があり、さらに外国との戦争があり、しばしばその両方が同時に起こった」。(『史記』1:2)。

ヨセフスは、

「カイザリアの人々が、まさに同じ日、同じ時間に、彼らの中にいたユダヤ人を殺害した」(『戦記』2:18:1)

と語っている。

<飢饉と疫病>

エルサレムの破壊の前には、「飢饉と疫病」の時期が来ることになっていた(マタイ24:7)。このことは、新約聖書のページを開くまでもなく、実現されている。

聖霊の霊感によって書かされたルカは、

「この頃、預言者たちがエルサレムからアンティオキアまでやって来た。そのうちの一人、アガボスという者が立って、クラウディウス・カエサルの時代にも起こったような大飢饉が全世界に起こることを、霊によって示した。」(使徒11:27-28)と書いている。

ヨセフスは、ヘレナ女王がエルサレムのために行った救援活動について伝えている。

「当時、飢饉が彼らを圧迫し、多くの人々が食料を生産するのに必要なものがないために死亡したのに対し、ヘレナ女王は使用人の何人かをアレクサンドリアに送り、大量のトウモロコシを買わせ、他の者をキプロスに送り、乾燥イチジクを積んでこさせた」(『古代』20:2:5)。

タキトゥスは次のように書いている。

「一年の間に、多くの奇蹟が起こった。不吉な鳥が議事堂に座り、地震が何度も起きて家がひっくり返り、パニックが広がると、群衆の恐怖の中で弱いものが足下に踏みつけられた。トウモロコシの不足とその結果生じた飢饉は、超自然的な警告であると解釈された。」(『帝政ローマ年鑑』12:43)

飢饉の時期には、通常、疫病が発生する。

<地震>

飢饉や疫病による大混乱に加え、主はエルサレム包囲戦の前に大地震がこの地域を揺らすと言われた(マタイ24:7)。

「クレタ島、スミルナ、ミレトス、キオス、サモス、ラオディキア、ヒエラポリス、コロッセ、カンパニア、ローマ、ユダで地震があった。ポンペイという都市が、紀元63年2月5日に発生した地震によって大きな被害を受けたことは興味深い。」 (An Eschatology Of Victory, p.93)

<天からの恐怖>

ルカのオリーブ山の談話には、「天から恐ろしい光景と大きなしるしが起こる」(ルカ21:11)というキリストの警告が記されている。

「ある夜中に大嵐が起こり、非常に激しく、強い風が吹き、大雨が降り、絶えず雷が鳴り、ひどい雷鳴が響き、地震が起きて、地響きがした。これらのことは、世界のシステムがこのような無秩序な状態に置かれたとき、何らかの破壊が人間にもたらされることを明らかに示すものであった。これらの不思議は、これから起こる何らかの大きな災いを予感させるものだと誰もが推測するだろう。」(『ウォーズ』4:4:5)

別の機会にヨセフスはこう書いている。

「このように、剣に似た星が都市の上に立ち、彗星が一年間続いた。また,ユダヤ人の反乱の前には,祭壇と聖なる家の周囲に大きな光が輝き,明るい昼間のように見えたが,その光は30分ほど続いた。さらに,神殿の内陣の東の門は,鉄で武装した真鍮製で,非常に重く,20人の男によって苦労して閉じられたが,鉄で武装した土台に載っており,ボルトが一つの石でできた堅い床に非常に深く留まっていた。」(ウォーズ』4:4:5)

<すべての国に福音を宣べ伝える>

エルサレム破壊に先立ち、「王国の福音は、すべての国民への証人として、全世界に宣べ伝えられる」(マタイ24:14)。

これが実現したのが1世紀である。パウロはコロッセの聖徒たちに手紙を書き、「天の下のすべての被造物に宣べ伝えられた」(コロ.1:23)と福音を語った。

「伝統は、様々な使徒と伝道者に、次のような分野を割り当てている。アンデレはスキタイで働いたと言われている。したがって、ロシア人は彼を使徒として崇拝している。フィリポは晩年をフィルギアのヒエラポリスで過ごした。バルトロメオは、マタイによる福音書をインドに持ち込んだと言われている。マタイに関する伝承は、かなり混乱している。彼は自国民に説教し、その後、外国で説教したと言われている。ヤコブ・アルファエウはエジプトで活動したと言われている。タデウスはペルシャへの宣教師であったと言われている。熱心党のシモンはエジプトとイギリスで活動したと言われているが、別の報告ではペルシャとバビロニアに関係している。伝道者ヨハネ・マルコは、アレクサンドリアに教会を設立したと言われている。」(ラース・P・クアルベン著『キリスト教会の歴史』)

<王や支配者の前に立つ>

イエスは使徒たちに「あなたがたのために気をつけなさい。彼らはあなたがたを評議会に引き渡し、会堂で打ちのめすであろうから。そして、私のために、支配者や王たちの前に連れて行かれ、彼らに証言することになる」(マルコ13:9)と言われた。

この預言の成就を見るために、新約聖書のページを離れる必要はない。

ペテロとヨハネは、サンヒドリンの前に引き出された(使徒4章)。ステファノは、怒ったユダヤ人の群衆によって石で打たれて殺された(使徒7:54-60)。ヘロデ・アグリッパは「ヨハネの兄弟であるヤコブを剣で殺した。そして、それがユダヤ人たちを喜ばせたので、さらに進んでペテロも捕らえた」(使徒12:2)。

パウロは、アカイアの総督ガリオ(使徒18:12)、ローマ総督フェリックス(使徒24)、アグリッパ王(使徒25)の前に立った。パウロはついに、カエサル自身の前で自分の訴えをすることを許されたのである。

(つづく)

Destruction of Jerusalem by Titus in A.D. 70, and Matthew 24 (padfield.com) より一部を抜粋