天国への一歩

神・霊・魂、霊の見分けの話題。キリスト教信仰が出発点です。

ニガヨモギ(2)

今日はどうも自分の方の喉がイガイガしてきたので、味が穏やかなヨモギ茶ではなく、鋭い苦みのあるワームウッド(ニガヨモギ)の方を飲んでみました。確かに苦く、飲むのがおっくうになります。ですが、喉のイガイガが瞬間的に緩和されるのを感じ、こちらの方が薬効が強いと感じました。

妹の方は、喉の痛みはどんどん治ってきていますが、今度はなんと嗅覚障害が出てきているようで、これが一筋縄ではいかないウィルスであることを思わされます。

ところで、ニガヨモギはフランスのリキュール「アブサン」に使われており、これは数々の芸術家を破滅に追い込んだ禁断の酒なのだそうです。学名の「アブサンシウム」は、ギリシャ語で「星」を意味しており、ヨハネの黙示録に登場する、ニガヨモギの星を意識して付けられた名前でしょう。英名のワームウッドは、アダムとエバを誘惑した蛇が、エデンの園から去る時に、通った道に生え出たという伝説から取られた名前だということです。

旧約聖書には、預言者の言葉を通して、何度も「苦よもぎ」という言葉が出て来るようです。主に苦い経験とか、罰とか、毒とか不義という意味で使われているようです。

黙示録のニガヨモギが出てくる箇所(8:10~11)は、次のとおりです。

第三の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、たいまつのように燃えている大きな星が、空から落ちてきた。そしてそれは、川の三分の一とその水源との上に落ちた。

この星の名は「苦よもぎ」と言い、水の三分の一が「苦よもぎ」のように苦くなった。水が苦くなったので、そのために多くの人が死んだ。

巷ではよく、これはチェルノブイリの原発事故のことだと言われています。チェルノブイリという言葉が、ロシア語でニガヨモギを表すからです。しかし、黙示録の「ニガヨモギ星」が落ちることによって、「川」の3分の1と、その水源が汚染されて苦くなったという描写に注目すると、チェルノブイリ事故では、特に川の水が汚染されたと大きく騒がれていなく、水質汚染と関係深くなかったのではないか、これは何か他のことを暗示しているのてはないかと思ったのです。

仮に、落ちた星をルシファーのような堕天使、川をイエス様の御許から流れ出る生命の川、水を命の水(聖霊?)とすると、汚染されたのは神の善き知識や教え(律法?)または聖霊であり、堕天使がもたらす禁断の知識や異なる教え、または霊が、人々の霊魂に毒をもたらし、霊的な死に追いやられる、と考えられるのではないかと思いました。終わりの日には、神の教えの3分の1が毒され、それを信じた多くの人が、間違った方向に流され、敵の手に落ちていくというような。

神様はご自身の教えにかたくなな人間を正しい方向に向かせるために、サタンさえも使われます。多くのクリスチャンが「終わりの日」の「裁き」について誤解していると思いますが、神様は正しい人を罰するのではなく、神の教えに逆らう人に罰を下されるのです。

前にも書きましたが、以前所属していた教会のある伝道師は、その人なりに精一杯奉仕していた信者さん夫婦に対し、更に自分達の土地を捧げろと要求し始め、信者さんがそれを断ると、「あなた達には信仰がなかったですね」と冷たく言い放ったといいます。その伝道師と同一人物か分かりませんが、その信者さんが、家に伝道師を泊めた時、夜中にこの世のものとは思えない獣の咆哮が、その人の寝室から聞こえてきて、戦慄が走ったということです。その夫婦はその集まりを出ました。

この話を聞いて、神の裁きはむしろ、神の教えを誤用し、信者の財産の搾取に回った伝道師側に下ったのだと思いました。彼らは、自分達が神の代弁者であると自負しており、神の救いは自分達の囲い以外には無いと豪語していたのです。でも、その勘違いが仇になりました。

皆自分が一番正しいと思いたいものです。しかし、自分も間違うし、誰もが間違いを犯します。人の知識や語ることなど、100%正しいことなどありえません。罪は毎日自分の中から湧いて出ます。それに気づいた時に、謝ったり修正すれば良いのであって、特に神様の言葉を扱う人は積極的にそうすべきです。しかし、神様から悔い改めの促しを受けていても、頑なにそうせず、なおも自分が正しいと言い張るならば、上の伝道師のように、神様が直々に裁きを下されるのだと思います。黙示録のニガヨモギの預言は、そういった聖職者側から始まる、神の教えの汚染のことを言っている可能性もあるのではないでしょうか。

ニガヨモギの酒アブサンは、人を魅惑する禁断の魔酒ですが、悪魔がもたらすニガヨモギの星の教え(無律法、イエスを信じるだけでよいなど)もそれと同様、甘い言葉で、いつのまにか魂を堕落させられているものなのかもしれません。

ニガヨモギで堕落させられ、ニガヨモギで苦い罰を受け、ニガヨモギで癒される。なんとも皮肉な話です。