天国への一歩

神・霊・魂、霊の見分けの話題。キリスト教信仰が出発点です。

「プーチンは今は3人で、本物はもう死んでいる」

これまで、一体プーチンの味方なのか、反プーチンなのかという、微妙な感じで記事を書いてきましたが、プーチンの反グローバリズムの姿勢には大いに賛成するけれど、これまでのソ連やロシアのやり方やプーチンを取り巻く諸事情を考慮すると、諸手を上げて信じるというのは危険では?という思いがあります。

「プーチンは今は3人で、本物はもう死んでいる」ジェームズ斎藤が徹底解説! プーチンとロスチャイルド、ユダヤ、ロシアの真実とは!?ートカナ

気力が無くてジェームズ斎藤さんの記事を全て読み切れてないのですが、色々と大事なことが書いてあります。プーチンはその都度入れ替わるのではなく、3人で「プーチン体制」を動かしているとのことです。さすがユダヤ人はやることが賢いです。裏で指示を出す人がいれば、3人の分身がそれぞれ成し遂げてくれるというわけです。このような大国をまとめるのに、3人体制であれば体力も気力も十分保てます。もしプーチン一人が悪いとしたら、彼の背後にいて操っている人間たちも含めて悪いということなのです。

①エリツィン後の大統領として指名(1999年)(初代)

②大統領就任式を前に森首相と初会談(2000年4月)

③BBCで子どもの腹へのキスについて問われた時(2006年)

④リュドミラ元夫人と。夫人は「夫が他の人間になって帰ってきた」と証言している。①と④とでは耳の形が違う。

⑤ほんわかした丸いプーチン

⑥先日のアメリカ訪問時のプーチン。上とは別人。

自分が勝手に好感が持てると思っているプーチンは⑤で、現在演説をしている姿をよく見るのはこの人物です。日本に来て安倍首相と面会したのもこの人です。整形をして他人を演じることになったプーチン役の人々は数奇な運命ですね。

ところで、ゴールデンウィークを利用して、「プーチンの実像」という朝日新聞出版の本を読んでいるのですが、冒頭の方に書かれた、森善朗元首相や柔道家の山下泰裕氏とプーチンのエピソードに興味深いことが書かれてあったので、少し抜粋してご紹介します。

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(管理人註:大統領就任前のプーチンに森首相がロシアで初めて面会する。森首相の父親が、地元金沢の根上町と、イルクーツクのシェレホフの友好交流を一生懸命やっていたが、一方自分の息子が反ソ連だということに悲しんでいた。父親は生前、イルクーツクの市長にこう語っていた。)

「金沢とイルクーツク、根上町とシェレホフがこんなに友好を深められたのに、私が死んだら消えてしまう。だからその時は、私の墓をこちらに置いてほしい。町の人たちがきっと訪ねて来るだろう。もう一つ理由がある。私の息子(森首相)がちょっと反ソ的だ。だけど父親の墓があるなら、訪ねて来ざるを得なくなるだろう」

(略)森は、イルクーツク市長から父親の言葉を聞かされたとき、内心はめられたような釈然としない思いを抱いたのだという。しかたなく遺骨を持ってイルクーツクを訪ねたときの思い出をプーチンに語った。

「ロシア正教の一番大きな教会でお祈りをやってくれた。いっぱいの人の中で、『遠い日本の友人の森茂喜さんの魂を』というようなことを言っている。これは俺が思っていたソ連じゃないなあ、と感じた。それから墓を置く郊外のシェレホフに言ったら、本当に町じゅうの人たちが出てきた。お墓がまた、あまりに立派なお墓でびっくりした。納骨をするときに、儀仗兵が空砲をばんばんと撃って、大変な式典をやってくれた。いやいや、これは俺の親父のためにこんなにやってくれるとは、と非常に私は心打たれるものがあった」(略)

「おかげで私は、父親の墓に参るために、あんまり好きでもないソ連に行くことになった。父親の罠にはめられたんだ」

プーチンは笑顔を見せた。森は続けた。

「私の母親は、寒い冬と暑い夏の年二回、必ずシェレホフに行って墓参りしている。見ているとかわいそうだし、もし母親が死んだら、その骨は一緒に入れてやらなければいけないな、と思っている」

笑っていたプーチンが、次第に真顔になっていった。

「いまに私が死んだら、みんな親父とお袋のところに骨を持っていってやろうということで、私の骨もロシアに持っていくことになると思う。だから、私はあなたと同じ地に眠ることになるかもしれない」

ここまで言うと、プーチンの目から涙が流れた。

KGB出身の冷たい男だと聞いていたけれど、どうも様子が違うようだ、と森は感じていた。

(p97-p99)

(管理人註:来日中に講道館に山下氏と訪問した時のこと)

「講道館に来ると、我が家に帰ったような安らぎを覚える」とプーチンは切り出した。「これは私だけはないはずだ。世界中の柔道家がそう感じるはずだ。なぜなら、世界の柔道家にとって、講道館は大切なふるさとだからだ。柔道が世界に広がったのはすばらしいことだ。しかし、もっと大切なことは、柔道を通じて日本の文化、日本の心が世界に広がっていく。そのことに価値がある」

山下は当時を振り返って、「あの場にいた全員がしびれました」と語る。「ロシアの大統領のあいさつというよりは、日本人。いや、日本人でさえ思っていないようなことをおっしゃった」

(中略)講道館はこのとき、プーチンに六段の段位を贈った。黒帯を外して、六段以上の者だけに許される紅白の帯を締めるよう促されたプーチンは、なぜかそれを断った。少しがっかりした空気が道場に広がるのを予期していたかのように、プーチンはマイクをとった。

「私は柔道家だ。六段がどれほど重いものかをよく知っている。大変光栄なことだが、ただ残念ながら、私の実力はまだこの帯を締められる水準に達していない。ロシアに帰ったらさらに練習を積んで、早くこの帯を締められるような柔道家になりたい」万雷の拍手。山下は「あのときその場にいた全員が、大統領のことを大好きになった」と振り返る。

(p85-p86)

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2人ともプーチンと友好的な関係を結んだ数少ない日本人だったようですが、彼らは2人ともプーチンの人間としての魅力を上げています。(彼らが最初に会ったプーチンは時期的に見て①の人物だと思われる)

これらはKGB一流のテクニックなのでしょうか?この本を書いた朝日新聞の記者は、そうではないようだと、他の人の証言も引き合いに出して論じています。他にも多くのこまごまとしたプーチンの周りの人に対する気配りが書かれていました。これまでこのようなポジティブな側面がほとんど日本人の耳に入って来なかったのは、手を組ませまいとする欧米側の作戦もあったのでしょうか。

森首相の話の最中に涙を流したプーチン。自分の生い立ちや両親のことを思い出したのかもしれません。もしくは自分の死期を悟り、数奇な運命を送ってきたことを一瞬振り返ったのかもしれません。プーチンの少年時代の白黒写真を見ていると、危険な香りと共に、「不幸な生い立ち」という言葉も頭に浮かんできます。小児性愛の話しもありますが、なんだか①のプーチンは、誰よりも純粋な愛を欲していたのではないかと思いました。

西側諸国とは絶えず騙し瞞されの緊張関係にあり、諜報員としてのキャリアも手伝って、疑心暗鬼の塊である(?)プーチンの心を溶かしたのは、森首相の裏表のない木訥な言葉や態度であり、また政治の世界とは離れた山下氏と、自分の思い入れの深い柔道という共通のバックグラウンドがあったおかげだったんだなと思いました。

ロシア人の性質として、他人に対しては割り切った所があるが、一旦信頼関係ができたら情に厚い所を見せると読んだことがあります。きっと森元首相とプーチン①の間には、このような心の繫がりができていたのでしょう。

それにしても私達は、自分も含めて、何も知らないくせに、ああだのこうだのと軽々しく批判してしまうことを思わされます。

日本人は島国育ちで知略に長けた国民性ではなく、それが白人列強に瞞される原因となってきたと思いますが、我々はもうこのキャラでやっていくしかないのかなと思います。誰かさんのように下手に策をこね回すと、かえってこんがらがってしまい、むしろ平和で誠実な国民性を貫いた方が、嘘でまみれた世界の中では武器となるのかもしれません。我々は蛇のように賢くはないが、鳩のように素直な国民なので、狼や鮫や獅子がうずまく世界の中で、神が我々の後ろにいて守って下さることを願うのですが・・・